社会人向け公開講座「3D-CAD/CAE(材料力学)講座」を開催しました

令和6年12月3日(火)久留米高専において社会人向け公開講座「3D-CAD/CAE(材料力学)講座」を開催しました。

講師の青野教員より、まず座学として材料力学に関する概念や理論の学び直しを行いました。材料力学の分野では、構造体への力の掛かり方、構造物を切り取った面の応力の考え方、境界条件が大切であり、重点を置いて説明をしました。

午後の部ではSolidWorks Simulationを用いてCAEによる解析を行いました。応力集中係数や、応力集中をしない形状等について講義の内容をもとに演習を行いました。

本公開講座は、日本設計工学会九州支部、日本機械学会九州支部共催のもと、本校の機械工学科主催により開催しました。

講座の最後には受講者全員に修了証書が授与されました。

 

青野准教授による講義 CAEによる解析を行う受講者

 

 

<本件担当>

総務課研究推進係 0942-35-9347

 

風力エネルギー利用シンポジウムにて研究発表(学生発表と研究紹介)

流体研究室では,様々な小形風車の高性能化に関する研究を行っています。街でよく見かける3枚ブレードのプロペラ風車のように,回転する軸が風向きと同じ水平な風車は水平軸風車と呼ばれ,それ以外にも,回転軸が風向きに垂直な垂直軸風車があります。流体研究室では,小形の水平軸風車と垂直軸風車 両方の研究を行っています。

 
垂直軸風車の研究では,風から受ける抵抗力(抗力)で回るクロスフロー形羽根車と,揚力で回るダリウス形羽根車これら2つの羽根車を組み合わせた揚・抗力型ハイブリッド風車の研究を行っています。
流体研究室の専攻科 機械・電気システム工学専攻 機械工学コースの2年生が,その研究成果を取りまとめ,2024年11月29日(金) 東京都千代田区で開催された日本風力エネルギー学会 第46回風力エネルギー利用シンポジウムに参加し,「揚・抗力型ハイブリッド垂直軸風車の煙線による流れの可視化」というテーマで発表を行いました。

 
・研究発表の様子
学会発表(風力エネルギー利用シンポジウム)
 
・発表資料抜粋(研究の目的)
研究の目的
 
・発表資料抜粋(煙線による可視化実験装置の紹介)
煙線による可視化実験装置
 
・発表資料抜粋(煙線による可視化実験結果)
煙線による可視化結果

 
今回の発表は,ハイブリッド風車の流れを調べる目的で,煙線発生装置を製作し,羽根車内の流れの可視化を試みました。研究室では,複数台の3Dプリンタがあり,複数の煙線を放出させるための櫛形ノズルや可視化用の風車模型(羽根車)をCADで設計し,それを3Dプリンタで出力し製作しました。また,最近,研究用の高速度カメラが入手できたので,煙線発生装置で発生させた複数の煙線が風車模型内を流れる様子を,高速度カメラで撮影し,これまでに得られた出力性能試験結果と合わせて,流れと性能との関係を考察し,発表しました。
 

学会会場では,風力エネルギー利用関係の研究を行っている教育機関を紹介したポスターが掲示されていて,久留米高専以外にも,多くの高専で風力関係の研究が行われているのが分かりました。私たちが発表したセッションでも,他高専の研究発表がいくつかあり,よい刺激になりました。
 
・風力エネルギー利用関係の研究教育機関(西日本)

 
さらに,同じ流体研究室出身で,専攻科を修了後,九州大学大学院 総合理工学府に進学した卒業生も,研究発表のために参加していて驚きました。進学先では大学院らしい規模の大きな研究に取り組んでいて,見違えるように頼もしく感じました。