ご挨拶
「筑紫なる 清き山水 あつめきて 流れ流るる筑後川 ひる夜となく 流れ流るる 我らも進まん学びの道を 学びの道を!!」 (久留米工業高等専門学校校歌)
「春筑後路を訪れて 桜に薫る千歳川 幾代変らぬ此の流れ あゝ若人の夢を秘む」 *「千歳川」は「筑後川」の古名 (旧制久留米高等工業学校逍遥歌)
独立行政法人国立高等専門学校機構 久留米工業高等専門学校 校長 松村 晶
久留米工業高等専門学校は、実り豊かな筑後平野を悠々と流れる九州一の大河である筑後川と宝満川が合流するほとりに位置しています。 ここ久留米市小森野の地には、今から80年以上前の1940年に、我が国の発展を担う技術者の育成を目的にその前年に創立された、旧制久留米高等工業学校が建てられました。その後時代と共に変遷をたどり、1964年に、中学校卒業後の5年間で実践的・創造的技術者を養成する高等教育機関として制定された高等専門学校の第3期校として、本校は設立されて現在に至っています。1966年3月に全国の高専で初めて卒業生を輩出して以来、本校の卒業生は1万余名に及び、国内外において優れた創造的なエンジニア、研究者や社会人として各方面で活躍しています。 本校は5年課程の本科に、機械工学、電気電子工学、制御情報工学、生物応用化学、材料システム工学の5学科を配しており、そこでは、大学受験で中断されることなく一貫した専門教育とともに人格形成に資する幅広い教養教育を行なっています。その後に続く2年の専攻科では、機械・電気システム工学と物質工学の2専攻において、さらに深く専門性を磨いて大学卒業と同様の学士の称号を得ることができます。本校は「自立の精神と創造性に富み、広い視野と豊かな心を兼ね備えた、社会に貢献できる技術者の育成」を教育理念として掲げて、将来に夢を託すことができる優れた人材の育成に教職員あげて取り組んでいます。 本科生の約6割は卒業後に就職して社会で活躍をし始めます。本校卒業生は社会の各方面から有能な人材として非常に高い期待が寄せられており、大変有難いことに毎年の各界からの求人は就職志望者数の約40倍も頂いています。残りの約4割は本校専攻科かあるいは九州大学や東京工業大学等の大学3年生に進学して、さらに研鑽を積んでそれぞれの道を歩んでいきます。本校専攻科卒業生への求人倍率も例年100倍以上と極めて高く、本校の教育理念は十分に実現できているものと確信いたします。 高等専門学校は高等教育機関として、産業界や地域社会との連携・協働を密にして、そこで生じている様々な課題の科学的な解決に取り組み、それらを通して人材教育の高度化を図り、実社会や未来社会が必要とするエンジニアを育成することが使命として求められています。そのために本校は、久留米市内の4大学・短大と本校からなる「高等教育コンソーシアム久留米」や近隣の技術系企業、大学、研究機関などが参加している「テクノネット久留米」などの事業に積極的に関わって、主導的な役割を演ずるとともに、久留米商工会議所、日本歯車工業会、日本ゴム協会九州支部や、九州大学・工学系部局、久留米工業大学、九州大学・大学院総合理工学府などとも個別に協定を締結して、教育の高度化を図るとともに産業界や地域・社会、大学等の学術機関から本校に寄せられるご期待にも積極的にお応えしています。 是非とも久留米工業高等専門学校の活動や動向にご注目をしていただき、一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(令和4年4月)
令和4年度入学式校長告辞
(前任校長講話等はこちら)