<研究分野>
反応工学、分離工学
<対象物質>
バイオ生産物(酵素タンパク、核酸塩基、アミノ酸等)、環境汚染物質(ホウ素、有機物、重金属等)、有価金属資源(貴金属、希土類金属)
<分離操作>
溶媒抽出、液膜輸送
<研究テーマ>
研究1、 バイオ生産物の分離濃縮に関する研究
バイオテクノロジーの著しい発展に伴い、バイオ生産物の需要は増大し、またその用途も食品、医薬品を始め多岐にわたってきている。その生産コストの大半は分離生成過程で占められ、新規分離技術を開発することは重要である。
- ハイブリット逆相ミセルを用いたタンパク質の抽出分離
- カチオン性界面活性剤を用いた核酸塩基の抽出分離
- イオン性界面活性剤を利用したアミノ酸の抽出分離
研究2、 環境汚染物質の除去に関する研究
科学技術の発展に伴い人類の生活水準は著しく向上したが、その反面、生活環境に有害な物質も数多く生み出された。それらの除去システムの構築には省エネルギー低コスト型の分離技術の開発が不可欠である。
- 二機能性界面活性剤を用いた液体膜によるホウ素の分離濃縮
- 乳化液膜法によるフェノール類の回収
- 逆相ミセルを利用したカドミウムの抽出
研究3、産業廃棄物からの有価資源の回収に関する研究
資源に乏しい我が国において、有価資源の安定供給は極めて重要である。資源枯渇が問題視される中、鉱物資源等の一次資源のみならず、産業廃棄物等の二次資源からの有価資源の効率的回収技術の開発が必要とされる。
- 新規界面活性剤を用いた乳化液膜による貴金属の分離濃縮
- 新規キャリヤーを利用した乳化液膜による希土類金属の分離濃縮
- 共同抽出試薬を用いた遷移金属の分離抽出
乳化液膜抽出操作の概要
原料相中の対象物質は、選択的に抽出剤と反応し、液膜相中へ抽出され、膜輸送された後、回収相中の逆抽出剤と反応することによって回収相中へ濃縮される。